春になるとタラの芽の天ぷらが食べたくなります。
時々、タラの芽に毒があるという噂を聞きますが、タラの芽に毒はありません。
これは、ある植物をタラの芽と間違えてしまったために生じた誤解です。タラの芽は無実!
タラの芽の苦みはほのかなもので、ゴーヤやピーマンに比べたらほとんどないに等しいくらいですよ。
春の味覚、タラの芽について、味の特徴や毒があると誤解される理由、おいしい食べ方をご紹介します。
タラの芽の味はどんな味?苦いの?
タラの芽は、春になると芽吹く「タラノキ」の新芽です。
新芽特有のやわらかさとほんのり苦みがあります。
…とよく言われますが、天ぷらにすると苦みはほとんど感じません。
どんな味かと言われると困ってしまいますね。
それは、ごはんやナスがどんな味か説明するようなものです。
タラの芽それ自体にはこれといった味はないけれど、おいしい(笑)
春先に食事に行った和食のお店で、天ぷらの中にタラの芽が入っていたら、嬉しくなります。
スーパーで売られているタラの芽は、ビニールハウスで栽培された栽培用品種です。
山に分け入って取る天然のタラの芽とは違います。
味は、天然物のタラの芽の方がおいしいです。
それならどうして、天然のタラノキを栽培しないのかって?
天然のタラノキでタラの芽を栽培している方もいらっしゃいますよ。
でも天然物には鋭いトゲがあるんです。
軍手ぐらいは平気で突き抜けてくるくらいのトゲです。
専用の手袋をしないと、トゲが手にグサグサ刺さってしまいます。
収穫するのはとても大変なんですね。
それでトゲのない栽培用の品種がつくられたのですが、やはり天然物には勝てません。
タラの芽に毒があると言われる理由とは?
タラの芽に毒はありません。
それなのに毒があると言われるのは、山へタラの芽を取りに行くときに原因があります。
山に入ると、タラの芽とは違った、でもタラの芽によく似た植物があるのです。
それは、漆(うるし)の木。
漆(うるし)の新芽をタラの芽だと思って取ると、樹液が手に触れてかぶれてしまいます。
それで、毒があると勘違いされたのです。
漆の新芽とタラの芽を見分ける方法は、先ほどの話にも出たトゲですね。
トゲがあるか無いかで区別するのが、一番わかりやすいと思います。
コシアブラとタラの芽の味は似ている?見分け方や違いは?
漆の他にも、タラの芽によく似た植物があります。
それはコシアブラという山菜です。(上の写真がコシアブラです)
コシアブラは、冷温帯の明るい林などに生えているウコギ科の植物です。
タラノキもウコギ科ですから、親戚のようなものですね。
コシアブラにはタラの芽のようなトゲはなく、若葉はツヤのある黄緑色をしています。
伸びた茎の部分は、紫色です。
タラの芽は、葉が伸びて成長すると固くなってしまいますが、コシアブラは、葉が伸びてもおいしく食べられます。
コシアブラは、タラの芽ほど日持ちがしないので、市場にはあまり出回りません。
ッコシアブラはタラの芽よりもエグ味や苦みが強く味が濃いので、タラの芽よりもコシアブラの方が好きだ、という人もいます。
エグ味や苦みが苦手な人は、タラの芽の方がいいかもしれません。
どちらがおいしいかは、個人の好みによりますね。
ちなみに私は、タラの芽も好きですが、どちらかといえばコシアブラのほうが好きです。
山菜独特の香りがたまらないんですよ~!
タラの芽もコシアブラも、旬の時期は短いので、食べられればラッキーって感じですね。
タラの芽の苦みを生かしたおいしい食べ方は?
入手のしやすいタラの芽を家庭で調理して食べるなら、やはり天ぷらが王道でしょう。
タラの芽の天ぷらの作り方ですが、洗って水気を切ったタラの芽に、天ぷらの衣をつけます。
菜箸の先を油に入れて、シュワシュワ泡立つくらいの温度になったら、火の通りにくい下の部分から先に油に入れて、その後全体を油に入れて揚げます。
表面がきつね色になったら、できあがりです。
粗塩を少しつけて食べると、タラの芽の風味が感じられておいしいですよ。
タラの芽が食べたいけど天ぷらにするのは面倒くさい、と思った時は、こんな食べ方はどうでしょう?
タラの芽を、小さいものはそのまま、太さのあるものは5㎜ほどに薄くスライスします。
フライパンに好みの油をひき、タラの芽を炒めて塩コショウします。
以上(笑)
超シンプルですが、天ぷらよりもダイレクトにタラの芽の風味が感じられます。
ベーコンと一緒に炒めてパスタと絡めたら、タラの芽パスタにもなりますよ。
タラの芽が味のアクセントになって、春を感じられるおいしいパスタです。
まとめ
タラの芽は、ほんのりとした苦みのある春の味覚です。
漆(うるし)の新芽と間違えられて毒があると誤解されましたが、タラの芽に毒はありません。
苦みもほとんど感じないので、食べやすいですよ。
おいしい春の味覚、タラの芽を楽しんでくださいね!